GIROが主催するライドイベント ”グラインデューロ カリフォルニア" へ参加したダイアテックスタッフのレポート。
GIROが主催するライドイベント、GRINDURO(グラインデューロ)は、アメリカ、カリフォルニア州のクインシーにて2015年から過去3度開催されており、2018年で4回目の開催。
日本から、ダイアテックスタッフが参加。
DAY 1サンフランシスコを出発
2018年9月28日サンフランシスコ国際空港。今回はサンフランシスコから車で約5時間、クインシーという町を舞台としてのGRINDUROに参加してきました。
走り出してしばらくしたら、いかにもアメリカ!という感じの道になってきました。
事前情報としては「楽しい」と「実はけっこうハード」しか聞いていなかったのですが。今までどんな感じで自転車に乗ってきたのかを振り返りながら、そのお互い聞いてきた事前情報を元にイメージを膨らませます。
サンフランシスコ国際空港を出発し、サクラメントを抜け3時間半ほど走ってようやくQuincyの標識がでてきます。 もうこの標識だけでテンション上がってきます。
今回の旅のお供 -1
いよいよシエラネバダ山脈のルートに突入。
もうこの時点であまりのスケールに圧倒される。
開催地のクインシーは元々はインディアンがいた地で、その後にはゴールドラッシュで一時的に栄えた。 今は人口約1700人、カリフォルニア州のシエラネバダ山脈の中にある標高1000mの小さな町。
夏は暑くなりすぎず、9月末は快適で涼しい。 今回二人ともライド時上に羽織る長袖を持っていき丁度良い感じ。グローブはロングがおすすめ。
多くの参加者は金曜の昼頃にに受付を済ませ、軽くライドへ行き、キャンプスタイルで宿泊、シャワーも完備されており、さっぱりしてからブースを見ながらフードとビールで乾杯というスタイルです。
この日私たちは受付後、会場内のピザ屋で夕食をとってからモーテルに戻り、バイクを組み立ててから乾杯し翌日に備えます。
受付スタッフの人たちもとてもフレンドリー。
コースプロフィールはこのような感じ。
走行約100km 獲得標高2500m
サイズ感は日本のSDA王滝と同じですが、全くイベントの性質が別物でした。
ざっくり言うと大きな山が2つ。
登り1か所、平地1か所、下り2か所に短いタイム計測セクションを設け、4ステージの合計タイムで順位が決まります。
計測セクション以外の約73kmはニュートラルセクションなのです。そのため参加者のほとんどはエピックライドを楽しんでいます。その間にくるステージを少し頑張って走るくらい。そう、そんな感じなのです。
バイクも何でもOK。
ディスクブレーキ搭載が推奨されていますが、グラベルロード・MTB・ツーリングバイク・シングルスピード・カゴ付きバイク本当に色々なバイクが走っていて、自由である。
そして驚くのは年齢層の広さ。10歳代から60歳オーバーまで、そして60歳オーバーの方のエントリー数が多い!中には70歳代も!?
DAY 2レーススタート
当日の朝はそんなに早くなくてもOK。スタートが8時で、スタートのための場所取りもない。 ちなみに招集もない(!) 正直遅れても、途中から入っても大丈夫そう。そもそもまだレースのスタートではないのです。
ライダー用に用意されたブリトーとVERVEcoffeeで朝食を。
テントサイトの朝はこんな感じでゆっくり時間が流れている。
もうね、この雰囲気からイイ!!
写真を撮っていたら「二人で撮ってやるよ~」て言ってくれるのでパチリ。
スタートはアメリカ国歌演奏からです。
皆期待に胸膨らませ、大歓声の中ライドの火蓋が切られました。
最初数kmの舗装路から…
しばらくするとお待ちかねのグラベル突入!!
GRINDUROはコース103㎞の中にタイム計測セクションが設けられており、合計4か所。
STAGE 1
登りグラベル1.9km 自転車乗れれば誰でも走れる。バイクも何でもOK。
一応500m手前に看板はあるが、このように流れでステージのスタートが切られる。
まぁ、1.9kmの緩やかな登りなので、すぐ終わった所にすぐフィードが。
ここで分かれ道。
エントリー時にGRINDURO(100km)とGRINDURITO(30km)が選択可能です。
ここも考え方は自由で、GRINDURITOにエントリーし、早めに帰ってきてあとはビール片手に会場で楽しむのも選択肢の一つなのです。
私の場合、ゴールしたのが17時頃で、外のほとんどのブースの人達は、ビール片手にすでにリラックスモードだったので、本当にそれもありなのです。
各ステージ直後にはフィードが設けられており、陽気なスタッフの人達が「ビールか?コークか?」と声をかけてくれる。
もちろんCLIFshotやバナナ・リンゴ・ベーコン・水等々補給はバッチリ。
水だけ持てば、あとはフィードで何とかなる。
その後もずーと登る。延々と登る。
とにかくピークまでローギアでボチボチ登る。
気温も快適で、しんどくない程度で周りも話しをしながらワイワイ楽しみながら走っていく。
そしてゆるーい下りになって、次のステージのスタートがやってくる。
STAGE 2
下りロンググラベル 10km
ダート走った事ある人ならだれでもOK、バイクもグラベルロードからでも全然OK。
硬く締まった路面に浮き砂利があったりとか、突然落とし穴的なトラップがあったり、油断はできない。やはりここでも自由だ。10kmの下りでなので、それなりに疲れてくるから途中で休憩してるライダーとかもチラホラ。
その後のフィードでも盛大にもてなしてくれる。
コーラにビール、エナジードリンク、フルーツ等々。
ここにはこんな車でブースを出してくれたり!
そして、この後もずーとグラベルロードを下る。たまに登り。
到着したSTAGE3直前のフィードでゆっくりしていると「早くいかないと、あなたたちあと10分で足切りだよ!」って教えてくれて、突然焦る!!
そう実は足切りタイムの設定はあるのです。とはいえ、随分ゆっくりだったので、そこからは挽回していける。
STAGE 3
舗装緩やか登り 9.6km 誰でもいける。一般道。ロードが一番速い。
この後に激激登りが… 本気で36x40で止まりそうになりながら…本当に止まりそうになりながら我慢! GRINDURO名物の『DEATH CLIMB(デス・クライム)』がついにやってきた。 本当に激坂で、カラカラに乾いたグラベルで、上手くトラクションをかけないと滑って進まないし…。 けっこうな人が歩いてボチボチ登っている。 ちなみにそこでの写真は辛くてなしです…
そうしてようやくあとは下りのみに!
最後のフィード。
ここでもビール・フルーツ・ベーコン・コーラ!!
そして最後のステージ 4へ
シングルトラック極上下り 難易度高い 5.4km。
全てシングルトラックダウンヒル。MTBが一番良い。
でも皆グラベルロードでガンガンいく。 バイクはディスクブレーキ搭載が推奨されている、本当に最後のダウンヒルを考えると、自分の身を守るためにもあったほうがいいです。
結局最後まで期待は膨らんでいきっぱなしで、個人的にも期待していたシングルトラックダウンヒルです。
期待以上の、そしてここまでの90kmが報われる極上の下りでした。しかも11分下りっぱなし(!!)
ちなみにこのシングルトラックは、上にも書きましたが、マウンテンバイクにも乗ってきた自分から見ても、距離も斜度も申し分なく、難易度高かったです。
大きな波打つギャップが続いて、そこに斜度が加わる。そのギャップに合わせて走れるかどうかがポイントです。 なので、正直に言うと、本当にちゃんと自転車に乗るスキルを持っている人でないと楽しめないかも。
ステージに入ってしまうと当然エスケープはありません。
もしダートの経験が浅い方がチャレンジされる場合は是非事前に練習していったほうがよいと思います。
STAGE4が終わった直後に色々なメーカーテントが出ていて、もう「みんなお疲れー!!」とウォッカの瓶の回し飲み(!)
それを後から来る人に渡していき、続いてビールが出てきて、パッと横の川を見ると…
ボートで対岸に渡ってめっちゃはしゃいでいる人が!
でも、まだゴールしてないんだけどな…でもいいんです!!
もうお祭りが終わるのを惜しむかのように遊びまくる。
さて、しばらく舗装路を走ってゴールです。
自分の場合だと、正味の走行時間が6時間40分。
(ちなみにスタートからゴールするまで約9時間半かかった)
その中で、4ステージ合計タイムが58分27秒。そう、だいたい1/6以下の時間しかレースしてない。
これ以外はグラベルロードと景色を堪能するのです。
計測セクションの事ばかりか書きましたが、もう一度言いますが、ステージ以外の約73㎞はニュートラルセクションなのです。
その間にあるステージを少し頑張って走る。本当にそんな感じなのです。
確かに、セクションがやってきてもそんなに力んでタイムアタックをかけているライダーはほぼいません。見かけたのは私含め数名でしょうか。
もしくはそこ狙いのライダーはもっともっと先を走っているのだと思います。
とにかく印象的だったのは、皆が楽しんでいる所。
それは運営にかかわるボランティアの方々やスタッフ、そして参加していない一緒に来ている人たちまで「走るのか?楽しんで!!」と全員が笑顔で声をかけてくれます。
実はGRINDUROってGRINDUROを含む全3戦のトータルポイントで競うイベントでもあります。
http://www.lostandfoundbikeride.com/lost-and-found/lost-sierra-triple-crown
その総合勝者はトリプルクラウンの証の王冠をもらえるのです。
レースが終わって
何度も繰り返すのですが、どこまでいっても期待と想像がどんどん膨らむイベントでした。イベント中にここまでどんどん期待も想像も膨らんでいくイベントは経験した事がありません。
終わってからも表彰含めパーティをが続く。 そう、まだまだ終わりません。 トリプルクラウンの王冠を手にすることができる人達は皆から祝福されるのです。
レース終了後の晩のパーティーの一部にこの表彰が含まれていて、皆自分の事のように祝福してくれる!
皆レースは終わっているけど、帰ることなくめちゃ元気。 こんなにタフなレース直後なのに最後まで遊び倒す体力…感心しますよね。 日が回って2-3時頃までパーティーは続いていたようです。
MOOTSも出展。
スタッフのマイケルさんもとっくに走り終わってビール片手にのんびりでした。
いわゆるコミュニケーションボード。
見てて楽しめるボードに。
GIROブース。
夜はここがライブステージになる。
メッセージボード
散髪ブースまで!
こんなスタイル良いですね。
DAY 3
ぐっすり睡眠をとり、朝食は“MorningThunder”にてオムレツ。
なかなかのボリュームをイングリッシュマフィンとコーヒーでいただく。
この日はマウンテンバイク発祥の地と言われているカリフォルニア州マリン郡周辺のトレイルへ。
クインシーから約5時間のドライブで、まずミルバレーへ到着。
メキシカンでライド前の昼食。
奥に座っているご夫婦もサイクリストで、さらりと昼食を。
このミルバレーという町、とてもジャンル関わらず自転車が多く、街中もしっかり自転車道が整備されています。
すぐ近くの交差点からどんどんローディーやマウンテンバイカーが出てきます。
とても気持ちいい道やトレイルがすぐ近くから出ていますね。
早速トレイルへ
アメリカのトレイルの特徴は、しっかりルールが決まっている事。
自転車OKなところはOK。ダメなところはダメ。
ダメな所は絶対誰も入らないし、特にこの周辺はハイカーも多く、ライド不可なトレイルにバイクを持って入って監視員に見つかるとバイクその場で没収です。
トレイル等手軽に探すには“TrailForks”などのアプリがおすすめです。
少し移動してトレイル #2
Tennessee Valley Trailheadからゴールデンゲートブリッジ方面へ進む。
ここはグラベル中心でループできるトレイル。
グラベルから少しそれてオープンなシングルトラックが並走している。
そして翌日はサンフランシスコ国際空港から日本へ帰国です。
アメリカに来て、GRINDUROに参加して、ジャンルに縛られることのない…なんだかとにかく自転車であればOK(GRINDURITOの方には一輪車の方も!!)で、自分の中で自転車の可能性の広がる、そんな最高のイベントでした。
GIROがメインでサポートするGRINDURO。そこには、本気で最後まで楽しんでもらって帰ってもらおうという気持ち、期待を超える感動がそこにはありました。
これも何度でも言いますが、自転車って楽しい!!
GRINDUROはそれを再認識させてくれるイベント。 そこには人の感性に訴えるモノ・コト、楽しみを共有する人達とのコミュニケーション、とにかくエネルギーに満ちあふれたそんな場所です。
間違いなく一生忘れられない思い出になる事は間違いありません。
毎年数時間で満員御礼です、来年のエントリー状況はこちらのサイトを定期的にチェックしてください。
https://grinduro.com/
Grinduro California 2018への参加チケットの抽選エントリーも兼ねていた、トークイベント「Grinduro展」(2018年1月にGiro Studio Tokyoにて開催)で当選したお客さま、宮下洋輔さんの、初めての「Grinduro California 参戦記」が、ご覧いただけます。続編にも乞うご期待!